糖尿病について

血液中に含まれるブドウ糖は、血液を通して全身の細胞に届けられ、エネルギーとなります。糖尿病になると、インスリンが十分に分泌されなかったり、その働きが低下したりするため、ブドウ糖を全身に送り届けられなくなり、血糖値が慢性的に高くなります。
初期の段階では目立った症状が出ませんが、徐々に問題が深刻になります。具体的には、失明のリスクがある糖尿病網膜症、人工透析が必要になることがある糖尿病腎症、足の切断などにもつながりかねない糖尿病神経障害などのリスクが高まります。
Q&A
糖尿病について
糖尿病とはどのような病気ですか?
血糖値が慢性的に高くなる病気です。具体的には、空腹時血糖値が126㎎/dl以上、HbA1cが6.5%以上のケースなどで診断されます。初期の段階では目立った症状がありません。しかし、きちんと治療しておかないと病状が悪化していきますので、なるべく早い段階で医療機関を受診することが大切です。
治療法はどのようなものがありますか?
糖尿病の治療は、食事療法、運動療法、薬物療法を組み合わせて行います。食事を見直し、適度な運動を行い、血糖値を下げるお薬を服用することにより、糖尿病による合併症のリスクを減らすことができます。
運動療法ではなにをするのがいいですか?
運動療法では、ウォーキング・ジョギングやスイミングなどの有酸素運動を、週3回30分程が推奨されております。ただし、自己判断で運動を行うと、かえって血糖値を上げてしまうこともあります。運動を始める前に、医療機関を受診し、患者さまに合った運動プログラムを作成してもらうようにしてください。
食事で気を付けることはありますか?
食事においては、栄養バランスを考え、毎日三食、規則正しく摂取することが大切です。脂っこい唐揚げや焼き肉などを好まれる方も多いと思いますが、脂肪分が多い食事ばかりでは糖尿病を悪化させてしまいます。野菜や海藻類などもしっかりと食べることが大切です。また、お酒の飲み過ぎにも注意しましょう。
放置するとどうなりますか?
糖尿病を放置すると、糖尿病三大合併症(糖尿病網膜症や糖尿病腎症、糖尿病神経障害)をはじめとして、様々な病気のリスクが高まります。心筋梗塞や脳梗塞などで命を落とすリスクも高まります。
自覚症状はありますか?
初期の段階ではほとんど自覚症状がありません。しかし、進行すると、手足がむくんだり、目がかすんだりします。このほか、口喝、多飲、多尿、易疲労感、体重減少などの症状もみられるようになります。
糖尿病は遺伝しますか?
糖尿病のタイプにもよりますが、遺伝以外の要因(不摂生な食事、お酒の飲み過ぎ、喫煙、運動不足など)が大きく作用しています。しかし、遺伝の要因も考える必要があります。実際、父親や母親が糖尿病の場合、その子どもが糖尿病になることも頻繁にみられます。親が糖尿病の方は十分にご注意ください。