当院で行える主な予防接種
当院で行える予防接種の種類はインフルエンザウイルス、新型コロナウイルス、肺炎球菌、帯状疱疹の他に、B型肝炎、日本脳炎、破傷風トキソイド、水痘、風疹、麻疹、MR(麻疹風疹混合)、おたふく、パピローマウイルスがございます。
※そのほかの予防接種についても対応可能なことがありますので、お気軽にご相談ください。
※予防接種を希望される方は、事前にお電話またはWEB予約にてご予約のうえ、指定日時にお越しください。(予約変更・直前の予約キャンセルとなった場合、接種されなくても料金が発生する場合があります。)
インフルエンザウイルス
インフルエンザウイルスに感染することによって発症する感染症です。このウイルスに感染すると、1~5日の潜伏期間を経た後に症状が出現します。基本的には38℃以上の高熱、強い喉の痛み、関節痛、筋肉痛などの全身症状がみられます。さらに、一般的な風邪症候群と同じように、咳、鼻水、鼻づまりなどの症状も強まります。
多くの場合、水分をしっかりとって安静にしていることにより、3~5日程度で症状が治まります。しかし、高齢者や基礎疾患のある方は、病状が悪化して入院治療が必要になることもあります。
こうしたリスクを減らすには、事前にインフルエンザワクチンを接種しておくことが大切です。日本では、毎年12月~翌3月頃までにインフルエンザは流行します。そして同ワクチンの持続期間は約5カ月、接種後に効力が現れるまで約2週間かかります。こうした点を踏まえ、遅くとも12月上旬には接種を受けるようにしてください。
新型コロナウイルス
新型コロナウイルス感染症による感染や重症化を予防するためのワクチンです。この病気を発症すると、高熱、咳、喉の痛み、息切れなどの症状が出現します。患者さまによっては、嗅覚障害、味覚障害、倦怠感、筋肉痛、頭痛、下痢など多様な症状がみられることもあります。高齢者や基礎疾患のある患者さまの場合、重症化して入院治療が必要になることもあるので、事前にワクチン接種を受けておくようお勧めいたします。
肺炎球菌
肺炎の原因は、細菌やウイルスなどの病原体やアレルギーなど様々ですが、とくによくみられるのが肺炎球菌による感染症です。この場合、事前に肺炎球菌ワクチンを接種しておくことで、発症リスクを下げることができます。なお、5年以内に肺炎球菌ワクチンを再接種すると注射部位の痛みが強く出ることがあります。再接種を希望される方は、前回の接種から5年以上の間隔を空けてから受けるようにしてください。
帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹ワクチンは、過去に水ぼうそう(水痘)にかかったことのある方が、将来的に帯状疱疹を発症するリスクや、帯状疱疹後神経痛などの重い後遺症を予防するためのワクチンです。帯状疱疹は、加齢やストレス、疲労などで免疫力が低下した際に、水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化して起こる病気です。
ワクチンには、「生ワクチン(1回接種)」と「不活化ワクチン(2回接種)」の2種類があります。不活化ワクチンは免疫効果が高く、特に50歳以上や基礎疾患のある方に推奨されています。不活化ワクチンは接種間隔を2か月あけて2回行い、より長期間にわたって予防効果が持続するとされています。
帯状疱疹は年齢とともに発症リスクが高まり、特に高齢者では、皮膚症状が治まった後も強い神経痛が続く「帯状疱疹後神経痛」を引き起こす可能性があります。これらのリスクを軽減するためにも、50歳を過ぎたら帯状疱疹ワクチンの接種をご検討ください。
ワクチンの種類と接種回数
現在、帯状疱疹予防には「ビケン」と「シングリックス」という2種類のワクチンがあります。
- ビケン:1回接種で完了する生ワクチン
- シングリックス:2回の接種が必要(1回目から2回目までは2~6か月以内の間隔が必要)
※ビケンは生ワクチンであるため、免疫力が低下している方や免疫抑制薬を使用されている方には接種できません。
効果の持続期間
ビケンはおよそ5年、一方シングリックスは約11年の有効性があるとされ、後者の方がより長期的に効果が持続すると言われています。
副反応について
シングリックスは注射部位の痛みや腫れといった局所反応が比較的強めに出やすいとされていますが、ほとんどは数日から1週間ほどで治まる一時的な症状です。
予防効果の比較
ビケンの発症予防効果は約50%ですが、シングリックスは50歳以上で約97%、70歳以上でも約90%と高い有効性が報告されています。
また、帯状疱疹後神経痛の予防効果についても、ビケンが約66%であるのに対し、シングリックスは85~100%と優れています。
製品名 | 水痘ワクチン 「ビケン」 |
帯状疱疹ワクチン 「シングリックス」 |
---|---|---|
種類 | 生ワクチン | 不活化ワクチン |
帯状疱疹の発症予防効果 | 約51% | 50歳以上: 97% 70歳以上: 90% |
帯状疱疹後神経痛の抑制効果 | 67% | 50歳以上: 100% 70歳以上: 86% |
効果の持続期間 | 接種後5年ほどで効果が低下 | 11年持続するとされる |
接種方法・回数 | 皮下注射:1回 | 筋肉内注射:2回 |
主な副反応 | 1~3%で注射部位の局所反応・発熱・水痘様発疹など | 10~40%で発熱・注射部位の局所反応・筋肉痛・倦怠感など |
接種できない方 |
|
|
ワクチン選択のポイント
帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛のリスクを抑えるうえで、シングリックスは非常に有効性の高い選択肢です。ただし、費用や2回接種が必要である点も踏まえ、ご自身の体調や生活に合わせたワクチンをお選びください。判断に迷われる場合は、ぜひ当院へご相談ください。
価格
助成金なしの場合
ワクチン名 | 価格(自己負担額) |
---|---|
ビケン | 8,000円 |
シングリックス | 1回 22,000円(2回接種必要・合計44,000円) |
定期接種対象者
ワクチン名 | 価格(自己負担額) |
---|---|
ビケン | 4,000円 |
シングリックス | 神戸市:1回 10,000円(2回接種必要・合計20,000円) |
任意接種対象者
ワクチン名 | 価格(自己負担額) |
---|---|
ビケン | 助成額:4,000円(どのワクチンでも1回のみ) ※自己負担額はワクチン価格から助成額を引いた金額になります。 |
シングリックス |